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​研究推進セミナー​

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講演テーマ

『使う、そして伝える~理学療法ガイドライン~』

社会医療法人 敬和会 

大分岡病院 創薬センター

梅木 駿太 先生

​ 要旨

 「私が受けた治療は、最善だったのでしょうか?スタッフの方々は優しかったので、満足はしていますが…」と聞かれた場合、私たちはどのように答えれば良いのだろうか。

臨床現場に携わる方々は、忙しい業務の中においても、日々更新される医学情報を収集することが求められる。しかし、世界最大の文献データベースであるMEDLINEには、2,400万件を越える論文が収載されており(MEDLINE Fact Sheet 2017)、忙しい業務の合間を縫ってこれらの情報を統合することは甚だ困難である。この問題に直面し、解決に向けて尽力した先人は、臨床医学に関する論文を統合するシステマティックレビューという手法を開発した。そしてそれがさらに発展し、診療ガイドラインという文書にて私たちの目の前に現れている。

診療ガイドラインとは、「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量し、最善の患者アウトカムを目指した推奨を提示することで、患者と医療者の意思決定を支援する文書」と定義されている(Minds 2014)。キーワードは、“診療上重要度の高い医療行為に関する質の高い情報(スタンダード)”と、“患者と医療者との間における意思決定の支援”である。

最適な患者ケアは、根拠に基づく医療(Evidence based medicine)と、患者中心のコミュニケーション技法から生まれる。この一連の流れはShared decision makingと呼ばれる。診療ガイドラインを使ったコミュニケーションは最適な患者ケアに直結するため、診療ガイドラインを使わない手はない。

本セミナーでは、理学療法領域における診療ガイドライン(理学療法ガイドライン)の意義と読み解くためのポイントを解説し、臨床現場における活用方法、さらには研究活動への応用方法についても解説する。

ー講師紹介ー

<略歴>

2006年 大分リハビリテーション専門学校 理学療法士科 卒業

2006年 医療法人徳洲会 福岡徳洲会病院 入職

2012年 医療法人久真会 河野脳神経外科病院 入職

2018年 九州大学大学院医学系学府 医療経営・管理学(修士課程)入学

2019年 社会医療法人敬和会 大分岡病院 創薬センター 入職(現職)

 

<社会的活動>

【所属協会・学会・委員等】

日本理学療法士協会, 日本臨床薬理学会, 日本医療・病院管理学会, 等

第55回日本理学療法学術研修大会企画局長, 日本理学療法士協会代議員

日本理学療法士協会登録理学療法士制度委員会委員, 等

 

<研究業績>

梅木駿太,馬場園明:急性期病院における非薬物的せん妄予防に関する試み-心血管術後患者を対象とした横断研究-.医療経営福祉マーケティング研究会誌(in press)

梅木駿太,西田昂平 他:急性期脳梗塞と脳出血におけるFunctional Independent Measureの変化の比較–傾向スコアを用いたマッチング–. 脳卒中(40) 350-356,  2018.

梅木駿太,西田昂平 他:由布市地域高齢者における介護予防事業の効果測定システムの構築.大分県理学療法学(10),1-5,2017.

梅木駿太,西田昂平 他:由布市地域高齢者における介護予防事業の効果測定に向けた予備的検討.大分県理学療法学(9),10-15,2016.

 

<著書(共著含む)>

  • 梅木駿太:急性期における脳卒中理学療法.極める脳卒中理学療法,斉藤秀之,加藤浩(編),pp61-80,文光堂,東京,2018

  • 梅木駿太,幸和貴(他):脳血管疾患へのアプローチ.医療・介護者向けリハビリテーションマニュアル,大分県理学療法士協会・大分県作業療法協会・大分県言語聴覚士協会(編),pp18-36,大分,2016

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