top of page

​特別講演

「仮想現実(VR)技術を用いた
​  リハビリテーション治療の最前線」

B356C0D2-1B56-413D-ACBC-CA0A72C31F2B.jpeg

島根大学地域包括ケア教育研究センター/客員教授

株式会社mediVR​/代表取締役社長

原 正彦 先生

 

 近年、COVID-19感染症の世界的流行の影響を受け、人対人の接触を避けるためのデジタル技術を用いた医療の効率化や、厚生労働省が解禁したオンライン診療の枠組みを用いた新たな医療提供体制の構築に注目が集まっている。我々は大阪大学における産学連携活動を通して仮想現実(virtual reality, VR)技術を応用したリハビリテーション用医療機器「mediVRカグラ」を開発し2019年3月より一般販売を開始した。本機器は座位トレーニングで安全に治療が出来る一方で、運動失調、歩行機能、上肢機能、認知機能、及び慢性疼痛に対して介入可能であることが報告されておりその独自性のある高い治療効果に期待が集まっている。患者は没入型のヘッドマウントディスプレイを頭部に装着し、コントローラーを両手に保持してVR空間上に出現する標的に触れるようなリーチ動作を行う。この場合、患者は三次元空間において目標物の座標と自身の保持するコントローラーの座標を重ね合わせるような認知処理と身体動作を同時に行う必要があり、このような要素を我々は「点推定」と表現している。この点推定を要する動作と、動作達成時の多信号生体フィードバックを組み合わせることで脳の再プログラミングが迅速に促され、疾患種別によらず高い治療効果が得られる結果に繋がっていると考えている。機器発売当初はその治療効果に懐疑的な意見も多く認められたが、近年では臨床現場でのデモンストレーションやエビデンスの蓄積も相まって、その治療効果に対する認識がかなり浸透してきたように感じている。本講演ではリハビリテーション治療分野におけるmediVRカグラを用いたトレーニングの実際とその臨床効果に関して最新の動向を踏まえた概説を行う。

ー講師略歴ー

2005年 島根大学医学部医学科卒業、循環器内科専門医

 

神戸赤十字病院、大阪労災病院で研修の後、大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学講座で学位取得

査読英語論文 87編、米国心臓協会(3回)及び米国心臓病学会(1回)より若手研究員奨励賞を受賞、

International Heart Journalより年間最優秀論文賞を受賞

 

2016年 大阪大学発ベンチャーとして株式会社mediVRを設立

 

2019年 VRリハビリテーション機器、mediVRカグラの販売を開始 取得特許 16件

 経済産業省主催ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト最優秀賞受賞

 著書である「臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意」が医学書ベストセラー

2019年 島根大学地域包括ケア教育研究センター客員教授

bottom of page